2018年04月12日
本作は画面の2/3がこの画家の希望を感じさせる黄色によって支配されている
画面中央にはアルルのラマルティーヌ広場に面する黄色い家を始めとした建物群が描かれており、画面下部には街道を行き交う人々が数人配されている。建物群と街道には南仏プロヴァンスの明瞭な光に照らされるかのように輝くような強烈な黄色が用いられており、本作は画面の2/3がこの画家の希望を感じさせる黄色によって支配されている。
またそれとは対照的に画面上部(画面の1/3)は鮮やかでやや重々しい青色の空が縦横の筆触によって描かれており、黄色と青色の絶妙な色彩的対比を画面内に生み出している。本作で用いられる黄色こそ画家の生涯を通じて選定された、ゴッホが自身の個性を最も反映することのできた色彩であり、本作や傑作『ひまわり』などを始めとしたアルル時代の作品にはそれらが顕著に示されている。
Posted by kicoco at 12:57│Comments(0)