2018年02月08日

キャスティングはスマートフォンで

 その他のモデルたちは事務所を介している。しかしキャスティングディレクターのLeila Hassiba Aziziは、ギャラは一律なのだと明かす。いくつものブランドのためにキャスティングをしているAzizi。最近ではほとんどの「ストリート・キャスティング」をインスタグラムで行っている。そこで見かけた、まだジュネーブ(Geneva)で一度しかランウェイを歩いたことのないLjazを気に入り、メッセージを送ったのだ。「インスタグラムは素晴らしいツール。実際に街に出て探す時間のないようなものを見せてくれる。それに、その人の本質を知ることができる。それぞれのテイストが表現されているので、個性が見える」とAziz。

 彼女は少女たちの3サイズを聞くことはない。「モデル事務所が求めている美しさ」とは違うもの、もっと「現実的」なものを求めているからだ。Aziziは目に留まる人には、一緒に働くことに興味があるので、パリに来る予定はないのかと問うメッセージを送る。

 そしてファッションウィークが近づくにつれ、大量のメールが届くようになる。例えば23歳のベルギー人スタイリスト、Maud Van Dievoet。ロンドンに住む笑顔の短髪な彼女は、既にロンドンでランウェイに登場したことがある。「大好きな服を世に発表する役に選ばれ、ショーでランウェイを歩くのは興奮する。アドレナリンがすごいの」と語った。  


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2018年01月08日

穏やかで妻への愛情に満ちたセザンヌの個性を感じさせる表現にある

 その表情には激情的な感情性や思想的な様子は見出すことはできず、セザンヌ夫人を描いた他の作品と同様、(やや物悲しげではあるが)ほぼ無表情である。

 そして背景には明るい黄土色を主体として樹木や植木鉢(鉢植え)、花を咲かせた植物などが配されている。画面下部の未処理部分など未完成ではあるものの、画家の作品の中で特に重要視される本作で最も注目すべき点は、考え抜かれた画面構成や構図の見事さと、主対象(セザンヌ夫人)と他の構成要素(背景)との連動的関係性による、穏やかで妻への愛情に満ちたセザンヌの個性を感じさせる表現にある。


  


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2017年12月08日

初期作品の中でも特に重要視されている


画面中央より下部で繰り広げられる酒宴の光景は享楽そのものであり、観る者へ否が応にも性的行為を連想させる。特に画面下部の裸体で抱き合いながら絡まる男女や散乱した豪勢な食事などは、もはや酒池肉林の様相を呈している。

このような性的享楽を暗喩させた饗宴風景は当時の絵画主題においては流行でもあり、セザンヌもそれに則って制作を試みたと推測されているが、この頃の画家の色彩へと取り組みが顕著に示されている点で、初期作品の中でも特に重要視されている。

なお画家は本作の典拠となったフローベールの「聖アントニウスの誘惑」そのものも、ほぼ同時期に作品として残している。  


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2017年12月01日

シェールとのシーソーゲーム

半面、イエメンやレバノンを巡るイランとの対立激化など対外的な混乱が続く恐れもあり、それは原油相場押し上げ要因だが、サウジ・イランの対立がOPECの結束を乱して協調減産が崩壊すれば、原油価格は支えを失って急落する可能性も否定できない。

さらに、今後の動向をみるうえで目を離せないのがシェールオイルの動向だ。

技術革新で、従来は採掘困難だった頁岩(シェール)に含まれる石油を採れるようになったものがシェールオイルで、米国を中心に開発が進み、今や米国は世界最大の産油国に復活を遂げている。この「シェール革命」を受け、近年の原油相場は、価格が上がってくるとシェールオイルの生産が増えて需給が緩んで価格が値下がりに転じ、そうなるとシェールオイルは採算割れして生産が減少し、需給が締まり、そうなるとまた反転上昇に転じる......という動きが続いている。

この間、シェールオイルの生産コストが趨勢として低下を続けているが、大まかに言って、2014年末からの過去3年を見ると、概ね、1バレル=30ドル~60ドル程度のボックス圏での動きになっている。50ドルの水準になってくるとシェールオイルの生産が増えて価格の頭を押さえ、40ドルを割り込むとシェールオイルの生産が落ち込んで相場が反転して上昇する、という構図だ。直近の動きでは、この間の原油相場上昇を受け、米国の石油掘削装置(リグ)の稼働数が増加していると伝えられる。

ただ、ここにきて原油相場が60ドルに近付いていることから、上値が重くなってきているのは事実。近年のシェールオイルをにらんだ需給の傾向に合わせた動きに加え、サウジを中心とする中東の地政学的なリスクがどこまで広がるかが、当面の相場に大きく影響しそうだ。  


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2017年11月24日

印象派が隆盛を極める以前では非常に高く評価されていた

 画面左側から白いドアの前に立つ帽子を被った女性(婦人)が義理の妹となるシャルロット・デュブール、画面中央で椅子に座るのが義母デュブール夫人、その後ろで母の肩に手をかけるのが画家の妻ヴィクトリア・デュブール、そして画面右側で椅子に座る紳士が義父デュブール氏と四人の人物が描かれる本作では、全ての人物が黒色の衣服を身に着けているが、これは画家が人物らを配しておこなった最初のデッサンが11月1日と万聖節(全聖人と殉教者に対する記念日)であるために喪服であることを安易に推察することができる。

 抑制的な色彩や堅牢な画面展開、厳格な空間構成など本作にはファンタン=ラトゥールの最も大きな特徴となる表現様式が顕著に示されており、この伝統性を重んじながらも19世紀絵画特有の新鮮さも同時に兼ね備える画家の作風は、印象派が隆盛を極める以前では非常に高く評価されていた。

 なお画家はデュブール家の人々の単身肖像画も複数制作しており、オルセー美術館には義理の妹シャルロット・デュブールを描いた肖像画『シャルロット・デュブール』が所蔵されている。  


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2017年09月26日

アジア山岳氷河の暗い未来、2100年に「3分の1以上消失」

地球温暖化によって今世紀末までに、アジアの山岳氷河の氷質量の3分の1以上が失われるとの研究結果が13日、発表された。これにより、淡水を氷河に依存している数百万の人々に悲惨な結果がもたらされるという。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された論文によると、これは地球の気温上昇幅が産業革命前の水準から1.5度未満に抑えられるとする仮定に基づいた「最良」のシナリオだという。気温上昇幅が3.5度、4.0度、6.0度では、それぞれ49%、51%、65%の氷質量がアジアの氷河から失われる可能性があるという。

 チベット高原(Tibetan Plateau)を囲む地理的領域で構成されるアジア高山地域(HMA)には、極地以外で最も大量の凍結水が蓄えられている。

 HMAはガンジス川(Ganges)、インダス川(Indus)、ブラマプトラ川(Brahmaputra)などを含む多くの世界的大河の水源となっており、数億の人々がこれらの水系に依存している。南アジア一帯と中国は、飲用水、発電、かんがい用水などをヒマラヤ山脈(Himalayas)の氷河融解水に依存している。

 2015年に200か国近くが採択した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」では、2.0度を「優に下回る」水準に気温上昇を抑えつつ、さらに1.5度というより低い上限を達成するための「努力を追求する」との目標が掲げられている。

 科学者らによれば、地球の表面温度はすでに約1.0度上昇しているという。

 7月に英科学誌ネイチャー・クライメート・チェンジ(Nature Climate Change)に発表された研究によると、地球温暖化が2.0度未満に抑えられる確率は5%しかないという。1.5度未満については、確率は1%ほどだ。

 一部の専門家らは、現在の傾向が続いた場合、地球は約3.0度の気温上昇に向かうと予測している。  


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2017年09月19日

自由闊達に動く非常に濃厚で力強い筆触

さらに画面の大部分を覆う緑色と黄色が織り成す美しい色彩の洪水は、観る者に対して爽やかで陽光のぬくもりを感じさせる気候、季節などの自然的要因やその印象を強く感じさせるほか、それらの色と補色関係にある赤味や橙色を帯びた煉瓦や小道の土、家政婦の被る頭巾、リュドヴィク=ドロの頭髪、遠景の家々の屋根や農婦のスカートは、本作において観る者の眼を惹きつける極めて重要なアクセントとして効果的な働きをしている。

また自由闊達に動く非常に濃厚で力強い筆触は、それら奔放な色彩によって表現された各対象を画面の中で見事に融合させており、本作で画家が示した統一性と自然性に溢れた類稀な表現や構成から、やがて点描表現へと移行してゆくピサロの1880年代の転換期(探求期)の作品の中でも重要視されてるのである。

  


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2017年09月12日

パリスの審判

 印象派の巨匠ピエール=オーギュスト・ルノワール晩年期の様式が明確に示される代表的な神話画作品のひとつ『パリスの審判』。

 本作に描かれる主題は、神々の饗宴時に最も美しい女神が手にするようにと争いの女神エリスが投げ込んだ黄金の林檎を巡り、我こそはと立ち上がった、ユピテルの正妻で最高位の女神ユノと、愛と美の女神ヴィーナス、知恵と戦争の女神ミネルヴァの中から最も美しい女神を、主神ユピテルにより神々の使者メルクリウスの介添でトロイア王国の王子である羊飼いパリスが選定し審判するという、神話の中で最も知られた主題のひとつ≪パリスの審判≫である。

 ルノワールは本作を制作する以前の1908年にも同主題の作品(パリスの審判 第1ヴァージョン)を手がけており、第1ヴァージョン共に本作は、プラド美術館(マドリッド)に所蔵されるバロック美術の大画家ピーテル・パウル・ルーベンスの『パリスの審判』からの構図的引用や表現的影響を感じさせる。  


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2017年09月05日

米テキサスで大洪水=ヒューストン、救助要請殺到

 大型ハリケーンから熱帯低気圧に変わった「ハービー」は27日、米南部テキサス州を中心に大雨をもたらし、米第4の都市ヒューストンをはじめ、州南東部で大規模な洪水が発生し、浸水被害が深刻化した。アボット州知事は同日、「歴史的豪雨になる」と訴え、州兵3000人を被災地に派遣したと発表した。

 ハービーはテキサス州にとどまっており、同州を中心に大雨が数日間続く見通し。米メディアによると、これまでに確認された死者は2人。死者が5人という報道もある。トランプ大統領は29日に被災地を訪問する。

 ヒューストンでは増水した小川があふれ、冠水した約250の道路が封鎖された。車や自宅から身動きが取れなくなる住民が相次ぎ、救助要請が殺到。当局は1000人以上を救助した。

 米メディアは、ボートで救助される住民や、腰の高さまで冠水した道路を歩く住民の様子を報じた。避難中の女性はCNNテレビに「増水の速さに驚いた」と語った。洪水は沿岸の町ガルベストンなどでも発生した。

 ヒューストンのジョージ・ブッシュ・インターコンチネンタル空港は発着便の当面の欠航を発表。ウィリアム・P・ホビー空港も30日朝まで閉鎖される。

 テキサス州沿岸は製油施設が集中しているが、ロイター通信によると、一部が運転を停止しており、ガソリン価格も上昇した。ヒューストンには多数の日本企業が拠点を置いており、経済への影響も懸念される。

 在ヒューストン日本総領事館は、沿岸に住む日本人約100人と連絡を取り合っているほか、被災する可能性のある地域に住む人に電子メールで注意を呼び掛けている。   


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2017年08月29日

もう一方は演技に使用したオレンジを両手いっぱいに抱えている

 観客に挨拶をする少女の姿。本作は印象派の先駆者のひとりエドガー・ドガと共にしばしば訪れていた、当時、人気の高かったパリのロシュシュアール大通りに店を構えるサーカスの団長(オーナー)フェルナンド・ワルテンベルクのふたりの娘フランチェスカとアンジェリーナの愛らしい姿を描いた作品である。

 両手いっぱいに抱えられたオレンジ。画面の中央から左右に演技を終えたフランチェスカとアンジェリーナが配されており、一方(左側)は観客に挨拶の仕草を見せ、もう一方は演技に使用したオレンジを両手いっぱいに抱えている。

 やや厚塗りされる豪華な金色の刺繍。本来ならば床面に落ちるであろう陰影を全く描かず、多様的で輝くようなフランチェスカとアンジェリーナの衣服の色彩と黄土色の床の暖色的な調和性は観る者に心地よい色彩のリズムを感じさせる。  


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